道の駅の話が多い黒澤ですが、やや頻度は少ないながら
エスニック食品店やハラル食品店にもお世話になっています。
フレッシュハーブや豆類、スパイス、塊肉、お魚…などなど
本当は欲しいのに入手困難な食材が豊富に取り揃えられているので
行くたびに心が躍ります。
食材そのものもそうですが、日常であまり目にしない
アラビア語、ビルマ語、シンハラ語、タイ語など
多岐にわたる言語を一度に目にすることができるので
文字好きな私としては、ある種のテーマパークの
ような感覚でお邪魔しています。
ただ、道の駅に比べると高頻度で行くわけではないので
立ち寄った際はフレッシュハーブを多めに買って
冷凍してストックするようにしています。
と、いうわけで今回は冷凍ストックしたまま
登場のタイミングを失っていたホーリーバジルを使って
「パットガパオムサップ (ผัดกะเพราหมูสับ / Phad Gaprao Mu Sap)」
を使ったのでメモです。
調味料はやや端折りぎみなレシピにはなりますが、
ご飯が止まらなくなる病みつき料理です。
と、毎度お馴染みの流れですが
レシピの前に今回の料理について概要を。
パットガパオムサップ (ผัดกะเพราหมูสับ / Phad Gaprao Mu Sap) とは
ผัด = 炒め (Phad)
กะเพรา = ホーリーバジル (Gaprao)
หมูสับ = 豚ひき肉 (Mu sap)
ということで、直訳すると
「豚ひき肉のホーリーバジル炒め」です。
(さらに言うとムーは豚を指します。)
日本ではこれをご飯にかけた
「ガパオライス」がよく知られていますね。
上記の通りガパオとはホーリーバジルをタイ語で呼んだもので、
イタリア料理によく使用されるスイートバジルとは別物です。
稀にこれらは代用可能ですよ〜と謳ったサイトを見かけますが、
いずれも香りは全く異なるので、美味しくは作れるけど
代用にはならないかなぁ…と個人的には思っています。
ではガパオはどんな香りなのかと問われると
言葉で表現するのが難しいですが、洋風ハーブよりは
日本の山菜や香味野菜に近い感じがします。
紫蘇とも茗荷とも違うんですが…それに近い癖があるというか。
…と、本当はもう少し詳細にお伝えできればいいのですが、
語彙力に限界があるのでホーリーバジルについてはここまでにとどめます。
料理の話に戻りますが「パットガパオ (ผัดกะเพรา)」は
「タイで最もポピュラーなアラカルト料理」という立ち位置で、
ガパオと一緒に炒める食材によって様々なバリエーションがあります。
今回は豚ひき肉を使った「パットガパオムサップ」を作りましたが、
鶏肉と炒めれば「パットガパオカイ(ผัดกะเพราไก่ / Phat kaphrao kai)」
牛肉と炒めれば「 パットガパオヌー(ผัดกะเพราเนื้อ / Phat kaphrao nuea)」
といった具合になります。
レシピを調べた感じ、高頻度で使用されていた調味料は
・ナンプラー
・オイスターソース
・シーユーダム(黒醤油)
・シュリンプペースト (ガピ)
・パームシュガー
でした。
黒醤油は日本ではポピュラーではないと思うのですが、
タイのレシピではかなり高頻度で登場していました。
私自身は以前から気にはなっていたものの、
まだ使ったことがないので次エスニック食品店へ行った際は
買ってみてもいいかなと思っています。
ということで、参考までに私が作った際のレシピを。
材料・作り方
- ニンニクを炒める
- 香りが立ったらひき肉を入れてざっくり炒める
- ある程度火が通ったら玉ねぎと調味料(醤油、ナンプラー、中濃ソース、はちみつ、水)をいれて中火で炒め合わせる
- 調味料の水分が飛んだら、ホーリーバジル、ネギを入れて全体を混ぜ合わせたら完成
いかがでしたか
1つ余談ですが、この料理は2018年にタイで発生した
タムルアン洞窟の遭難事故で2週間閉じ込められた遭難者の1人が、
真っ先に食べたいものとして挙げた料理としても知られています。
若干マニアックな調味料が使用されていることと、
エスニック料理特有の独特な香りの食材が含まれているので、
自身の好き嫌いと相談して、ナンプラーは醤油に、
オイスターソースは味噌などで代用しながら楽しんでみてください。
ホーリーバジルのエスニックな香りが食欲をそそる
タイの絶品スタミナ料理是非お試しください。