先日の即席キムチで使用した韓国唐辛子について、
もう少し深く掘り下げてお話してみます。
何せ、この唐辛子大好物なもので。
コチュカル(고춧가루)とは

韓国の粉唐辛子のことです。
ハングル表記では「고춧가루」
英語表記では「gochu-garu」
고춧 (コチュ) = 唐辛子
가루 (カル) = 粉
장 (ジャン) = 醤 (ペースト状の調味料を指す言葉)
「고춧 / gochu」は唐辛子 を意味しますので、
コチュジャンの「コチュ」と同じです。
英語で「G」で始まるのに「ゴチュガル」じゃないの?
と不思議な感じがしますが、それについては後述します。
熟成段階によって色と辛さが異なり
赤唐辛子 = ホンゴチュ(홍고추)
緑唐辛子 = プットゴチュ(풋고추)
と呼ぶそうです。
ちなみに、韓国唐辛子のスコヴィル値(※)は1500程度だそうです。
※スコヴィル値
唐辛子の辛さの単位。
辛味成分の1種であるカプサイシンの割合を示すもの。
参考までに、各唐辛子の辛さは以下の通り。
純粋なカプサイシン | 1600万 |
ハバネロ | 10万 – 35万 |
鷹の爪 | 4万 – 5万 |
カイエンペッパー | 3万 – 5万 |
ハバネロソース | 7000 – 8000 |
韓国唐辛子 | 1500 |
上記を見ても、韓国唐辛子の辛さはマイルドなことがわかります。
(それにしても、純粋なカプサイシンの破壊力よ。)
コチュカルの発音について
少し音声学の話になるのですが、
韓国語は濁音の有無による単語の区別がありません。
…というとピンと来ないかもしれません。
日本語の単語を例に挙げると
「たいがく」と「だいがく」
は全く意味が異なる単語ですよね。
なぜこの2つの意味が違うかというと、
濁音の位置によって単語を区別しているからです。
一方韓国語の場合、濁音の位置による区別はなく
あくまで
“文頭に来る語は清音、後ろに来る音は濁音” になる
という規則によって濁音の有無が決まっています。
なので、韓国人が日本語を学ぶ際、
濁音の位置を誤るケースが多いそうです。
だから → たがら
上記の理由から、
「Gochu-garu」は「コチュカル」
「Gochu-jang」は「コチュジャン」
となるんですね。
余談
我が家は割とスパイスが沢山ある方だと思いますが、
その中で最も消費ペースが早いのが、この韓国唐辛子です。
理由はシンプルに「美味しい」そして「使いやすい」からです。
カイエンペッパーや鷹の爪は辛みが強いので入れ過ぎ注意ですが、
コチュガルは甘みがあってマイルド、かつ旨味もあるので、
沢山入れても悶絶することはありません。
(カイエンペッパーは味を変えずに辛さ調整したい場合に便利です。)
たまに勢い余って、想定の何倍もぶちこんでしまう時がありますが、
それでも不思議と美味しく食べられます。
(無論、辛い物が苦手な方にはおすすめしません)
先日のレシピでは保険をかけて「コチュガル 大さじ1/2〜」
としましたが、私は毎回大さじ1〜1.5は入れていると思います。
おいしくカプサイシンを摂取できる、画期的な唐辛子です。
いかがでしたか
個人的オススメスパイス「コチュカル」のご紹介でした。
今後も、このような形でスパイス単品の記事を更新していこうと思います。
ゆるっと更新になると思いますが、楽しんでいただけると幸いです。
甘くて旨い韓国の唐辛子、見かけたら是非使ってみて下さい。
きっと唐辛子のイメージが変わるはず。
参考URL
・韓国語辞書サイト
https://krdict.korean.go.kr/mainAction
・コチュカルのスコヴィル値
https://www.mk.co.kr/news/economy/view/2017/03/178613/
・スコヴィル値
https://fivethirtyeight.com/features/rating-chili-peppers-on-a-scale-of-1-to-oh-dear-god-im-on-fire/