目次
11月のテーマのエスニック祭り、延長戦モードに入っています。
本日はスリランカより「スリランカカレーパウダー」の
スパイスブレンドレシピをご紹介します。
スリランカとスパイス
スリランカはインド洋に浮かぶ島国です。
使用言語はシンハラ語で、文字はシンハラ文字。
文字についての小話は後述します。
スリランカはセイロンティーや、セイロンシナモンで知られるように
ハーブやスパイス、お茶など、香り豊かな食材に囲まれています。
(自宅にあるスパイスもスリランカ産のものが多数あり、
大変お世話になっております)
特にスリランカで主に使用されるスパイスは
・セイロンシナモン
・ビンロウジュの実
・ホワイトペッパー&ブラックペッパー
・クローブ
・カルダモン
・メース
などが挙げられます。
スパイスそのものの起源はインドやアラブ地域のものが多いですが、
香辛料の貿易をするにあたり、殆どの地域がスリランカを経由して
やりとりを行っていたことから、スリランカとスパイスは
切っても切り離せない関係であるといえます。
スパイスの使用率
では、いつものようにいくつかのレシピを調べ、
スパイスの使用率をまとめてみました。
スパイス | 使用率 |
---|---|
コリアンダーシード | 100% |
クローブ | 100% |
クミン | 100% |
カルダモン | 100% |
フェンネル | 91% |
フェヌグリーク | 73% |
シナモン | 64% |
カレーリーフ | 64% |
マスタード | 55% |
バスマティライス | 55% |
ドライチリ | 55% |
ブラックペッパー | 45% |
ターメリック | 9% |
ジンジャー | 9% |
考察については後述します。
インドのスパイスミックスとの比較
スリランカカレーパウダーと
これまでに紹介した、ビリヤニマサラとガラムマサラの
使用スパイスを比較してみました。
スパイス | スリランカ | ガラムマサラ | ビリヤニ |
---|---|---|---|
カルダモン | 100% | 100% | 100% |
カレーリーフ | 64% | ||
キャラウェイ | 10% | 17% | |
クミン | 100% | 100% | 58% |
クローブ | 100% | 100% | 92% |
ケシの実 | 10% | ||
コリアンダーシード | 100% | 60% | 100% |
ザクロの種 | 17% | ||
サフラン | 10% | ||
シナモン | 64% | 100% | 100% |
ジンジャー | 9% | 50% | 8% |
スターアニス | 10% | 92% | |
ストーンフラワー | 10% | 58% | |
ターメリック | 9% | 42% | |
ドライチリ | 55% | 10% | 67% |
ドライプラム | 8% | ||
ナツメグ | 80% | 83% | |
ニゲラ | 42% | ||
バスマティライス | 55% | ||
フェヌグリーク | 73% | 10% | 8% |
フェンネル | 91% | 20% | 83% |
フライドオニオン | 8% | ||
ブラックカルダモン | 60% | 75% | |
ブラックペッパー | 45% | 100% | 92% |
ベイリーフ | 90% | 100% | |
マスタードシード | 55% | ||
メース | 60% | 75% | |
kapok buds | 25% |
上記を踏まえると、
スリランカカレーパウダー特有のスパイスとして挙げられるのは
・バスマティライス
・マスタードシード
・カレーリーフ
ということが分かります。
使用スパイスについて 私的考察
私が最も興味深かったのは、
バスマティライスが使用されている点です。
使用されている理由はまだ勉強が足りていませんが、
米自体にも独特の香りがあるので、
香り付けの要素が大きいのかなと想像します。
最初はとろみ付けのためかな?と思っていましたが、
日本米のように粘りや甘みがあるわけではないので、
おそらくこの線は薄いかな…という個人的見解です。
ちなみに、私が愛用しているバスマティライスはこちら。
バッグのデザインが好きでこれを買っています。
味の違いを比較できるほど食べ比べていないですが、
クミンやカレーリーフと一緒に炊くのが好きです。
また、スリランカといえばランペ(パンダンリーフ)の
イメージがあったのですが、ブレンドには用いない点が意外でした。
現地ではフレッシュで手に入るので、
あえてパウダーで使うことが無いのかもしれませんね。
あともう一つ興味深かったのはマスタードシードの使用です。
これはテンパリングで使用するイメージが強かったので、
ブレンドで使用するのは私自身意外に感じたところです。
材料・作り方
以上を踏まえて、スリランカカレーミックスのレシピをば。
レシピが複雑にならないように…という点に重きを置いていますので、
細かい分量はお好みに合わせて加減してください。
【材料】
・コリアンダーシード…大さじ1
・クミンシード…小さじ2
・クローブ…小さじ2
・バスマティライス…小さじ2
・ブラックペッパー…小さじ1
・カルダモン…小さじ1
・フェンネル…小さじ1
・フェヌグリーク…小さじ1
・カレーリーフ…小さじ1
・マスタードシード…小さじ1/2
・カイエンペッパー…小さじ1/8 (お好みの辛さで)
・シナモンスティック…1本
スリランカのミックススパイスなので
シナモンは「セイロンシナモン」をチョイスしていますが、
なければカシアでも。
【作り方】
①ホールスパイスを乾煎りする(今回の場合カイエンペッパー以外)
②ミルで挽いて完成
乾煎りする際、粒の小さいものは焦げやすいので
時間差で炒ると理想です。
おまけ シンハラ語で見るスパイス
推し言語は沢山ありますが、
中でも大プッシュしたいのがこのシンハラ語です。
シンハラ文字は、アルファベットの形が
動物に似た形状をしていることから、
ネズミやカエルに例えられます。
コロンとしたなんとも言えないフォルムに愛おしさを感じます。
この文字の魅力を、是非とも知ってほしいので
スパイス名をシンハラ語でリストにしてみました。
英語 | シンハラ語 | 読み |
---|---|---|
Pepper | ගම්මිරිස් | Gammiris |
Cardamom | එනසාල් | Enasal |
Cinnamon | කුරුඳු | Kurundu |
Clove | කරාබු නැටි | Karambunatti |
Coriander | කොත්තමල්ලි | Kottamalli |
Cumin | දුරු | duru |
Curry Leaves | කරපිංචා | Karapincha |
Fennel | මහදුරු | mahaduru |
Ginger | ඉඟුරු | inguru |
Nutmeg | සාදික්කා | Sadikka |
Mace | සෙංකෝලය | seṁkōlaya |
Mustard seed | අබ ඇටය | aba æṭaya |
Turmeric | කහ | Kaha |
カレーリーフの「カラピンチャ」が大変に可愛い。
ちなみに、シンハラ語は文字のみならず
語尾が上がるイントネーションも可愛いです。
いかがでしたか
以上、
スリランカカレーパウダーのご紹介でした。
もはや、スパイスの紹介なのか、
言語の紹介なのか分からなくなりましたが、
シンハラ語の魅力が少しでも伝わると幸いです。
(※言語の話やないか)
(私自身話せるわけでも読めるわけでもないのですが、
とてもロマンを感じております)