27日目 フィリピン ピナクベット (Pinakbet)
今月はアジアンなスパイス中心にご紹介…ということで、
世界の料理やレシピも、エスニックテイストなものを中心に
ご紹介しようと思います。
本日紹介するのはフィリピンの「ピナクベット / Pinakbet」です。
会社で大変お世話になっている先輩がいるのですが、
その先輩の奥様がフィリピン人のハーフの方で。
お家へお邪魔した際にごちそうになったのがこの料理でした。
本場の方が作る料理は本当に美味しくて、
1口食べて一気に惚れ込んでしまいました。
そんなわけで、あの料理を
「どうにかしてまた食べたい…!」とチャレンジした次第です。
では、レシピの前にこの料理について少し小話を。
ピナクベットとは
魚や海老のソースと野菜の蒸し料理です。
料理名はイロカノ語で”しぼませる”という意味を持つ
「pinakebbet」の短縮形が語源となっているようです。
(pinakebbet = shrunk / shriveled)
フィリピンの公用語は英語とフィリピン語ですが、
母語として使われている言語は172にも及ぶそうです。
最も多く話されているのはタガログ語、
2番目にセブアノ語、3番目にイロカノ語…と続きます。
使用する材料は、地域によってやや個性があるようですが、
殆どのレシピでゴーヤが入っています。
その他に使用される野菜としては
・ナス
・トマト
・オクラ
・さやいんげん
・唐辛子
が挙げられます。
これらの野菜はイロカノ族の殆どの庭で栽培されているんだとか。
食材が豊富で準備が大変そうだな…と思っていましたが、
全て自給自足できるんですね。
ちなみに、
イロカノ版ピナクベットは
味付けに発酵させた魚のソース (Monamon-dilis)を使用するのに対し、
タガログ版ではシュリンプペースト (ガピ)での味付けが主流で、
上記の野菜に加えてかぼちゃが加わることも特徴みたいです。
ちなみに、ガピはこいつです。
くさやに近い感じで、とにかく匂いが強烈。
ただし旨味がものっそい詰まっています。
私は今回、かぼちゃ&シュリンプペーストを使用したので
タガログ版のピナクベットということになります。
(というか発酵モナモンなんて聞いたことがなかった…。笑)
と、ざっくり料理についてお話したところで、
参考までにレシピをば。
材料・作り方
【材料】
・豚肉…150g
・玉ねぎ…1個
・なす…1本
・かぼちゃ…1/8個
・さやいんげん…10本
・オクラ…4本
・トマト…1個
・青唐辛子…1本
・にんにく…1片
・しょうが…1片
・ガピ…小さじ1
・ナンプラー…小さじ1
・ベジタブルストック…100ml
・塩コショウ…味をみて適量
【補足1】
上述した通り、ゴーヤがあると理想です。
(どうしても手に入らなかった…悔しい。)
【補足2】
ベジタブルストックが無い場合は水でも問題ありません。
【作り方】
①油を引いて熱したフライパンに玉ねぎを投入し、炒める
②玉ねぎが透明になったら、しょうがとにんにくを入れて炒める
③香りが立ってきたらトマトを投入し3〜5分程度炒める
④トマトの水分が出て来たら、ベジタブルストック半量と、シュリンプペースト、ナンプラーを入れる
⑤沸々してきたらかぼちゃを投入し、蓋をして中火で5分程度煮込む
⑥5分経ったらその他の具材(なす、インゲン、オクラ、肉)とベジタブルストックを入れて全体を混ぜ、蓋をしてさらに煮込む
⑦具材が柔らかく煮詰まったら、塩、コショウで味を整えて完成
いかがでしたか
どの野菜も美味しいけど、特にナスとオクラがすさまじく美味しい…。
たくさん野菜が入っているので栄養も満点。
野菜の出汁に豚肉の出汁、ガピの旨味も加わった
旨味要素大渋滞の贅沢料理です。
食材の準備はやや大変ですが、その手間をかける価値は
十二分にある絶品料理だと思います。
なにより、沢山の食材を準備して
美味しい料理をおもてなしして下さった奥様に感謝です。
改めて、ありがとうございました…!
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…当企画について。
日本から出たこと無い人間が自宅で世界の料理を作って
旅行気分を味わおう!と始めた1人企画。
私は基本的にお肉は低温調理しているので、
本来揚げたり焼いたりする料理も低温調理でアレンジします。
味の再現はできる範囲でやっていますので、レシピを見て
入手が面倒そうなスパイスや食材は省くか、代わりになるものを使用します。
あくまで”○○風”ですので「その調理法だと定義から外れてる!」的なのは
目を瞑っていただけると幸いです。
(海外旅行の経験は1度もないので、本場の味も何もないのです…)
ただ、本場で使われるスパイスやハーブ、調味料、食材の情報は
とても興味がありますので、教えていただけると喜びます。