
タマリンドをひたすら濾して、タマリンドペーストを作った話。
タマリンドとは、タイやインド、フィリピンなどの
東南アジアでよく食べられている甘酸っぱい果実です。
色や質感がデーツっぽい感じもあり、甘そうに見えるのですが
味はプルーンのように酸味がある果実に近いです。
デザートとして食べたり、スープやカレーに調味料として使ったり
そのまま食べたり。用途は多岐に渡ります。
かく言う私もタマリンドは好きなので、よくお世話になっています。
予めペースト状になったものも売っていますが、
私は塊で売られているものを濾して、好みの粘度に調整して使っています。
…というわけで、今回はタマリンドをひたすら濾して
ペーストを作る工程を記事にしてみました。
作り方
まずこれがタマリンドの塊。
種や繊維が残った状態で圧縮されています。
溶かす分だけちぎります。 もうおいしそう。
耐熱性の食器に入れて…
お湯を注ぎ、ひたすらスプーンや割り箸でほぐします。
ある程度ほぐしたのがこちら。(途中でお湯足しました。)
ねっとりしたペーストに仕上がっております。
これを網で濾して、種や繊維質を取り除きます。
ザルに流して。 ひたすら濾すと…
こんな感じで、繊維質だけ残ります。
大きい洗い物が面倒で網杓子を使ったけど
どう考えても作業効率悪くて後悔。
やる時は大きいザルでガッシガシ濾した方が賢明です。
でき上がったペーストがこちら。
あぁ…美味しそう。
最後は、煮沸消毒した瓶に詰めて完成です。
私は大体1週間も経たないうちに食べきってしまうのですが、
おそらく2週間ぐらいは日持ちすると思います。
塊の状態よりも保存は効かなくなるので、早めに消費することをお勧めします。
…と、ペーストの作り方が終わったところで
改めてタマリンドとはなんぞやということについて色々と。
タマリンドとは
タマリンド (和名 / チョウセンモダマ) マメ科ジャケツイバラ亜科タマリンド属 可食部の水分は20% 100g当たりの栄養価は以下の通り タンパク質 8.5-9.1g 脂質 2.7-3.1g 炭水化物 82.1-82.6g マグネシウム 25.6-30.2mg ナトリウム 23.8-28.9mg 銅 0.8-1.2mg 亜鉛 0.8-0.9mg 参考:https://ci.nii.ac.jp/naid/110003710009
熱帯アフリカが原産。
インドをはじめ、バングラデシュ、パキスタン、フィリピン、タイなどの
東南アジアで栽培されるのマメ科の植物です。
落花生のような殻に包まれていて、その中にネットリした果肉が入っています。
料理では、この果肉の部分を溶かして使用することが多いですが
現地ではジュースとして飲んだり、そのまま食べる事もあるそうです。
(食べてみたい…)
ポリフェノールが豊富に含まれている上、微量栄養素も豊富に
含まれているので抗酸化機能にも期待できる食材です。
(…と言いつつ、ポリフェノールの詳細は調査できていません)
冒頭で、プルーンのような酸味のある風味だ…というお話をしましたが、
この酸味は酒石酸とクエン酸によるものだそうです。
(酒石酸といえば、ワインの樽に沈殿から発見されたカリウム塩ですね。)
酒石酸は葡萄、クエン酸は柑橘類…と酸味のある果実に含有さているので、
タマリンドに酸味があるのも納得です。
とはいえ、ただ酸っぱいのかというとそういうことではなく、
ほ〜んのり甘みもあるので、柑橘ほど刺激はないです。(あくまで私見)
タマリンドを使う料理の具体的例としては
・シニガン (フィリピン / タマリンドスープ)
・ラサム (南インド / タマリンドスープ)
・グン・パッド・マカム (タイ / タマリンド炒め料理)
などがあります。
ちなみに、各国のタマリンドの呼称は以下の通り

どの言語も好きですが、個人的推し言語はアラビア語です。
しかし、文字がここまで違うと同じ食材を表しているとは思えないですね。
(当たり前といえば当たり前なんですが…;)
また海外の食材に触れた際は、このように記録していきたいと思います。