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3種類の調理法で栗を蒸した話。
先日、群馬県へ森林浴に行きまして、
その帰りに立ち寄った道の駅に、とても美味しそうな栗が
売られていたので、見事につられて購入しました。
いやぁ…秋の味覚には弱い。本当に。
(我慢したけど、さつまいもとかぼちゃも丸ごと買いかけた)
せっかく手に入れた栗を、全て同じ調理法で
食べてしまうのはもったいない気がしたので、
「土鍋で蒸す」「炊飯器」「低温調理」の3種類の調理法で火を通し、
食べ比べ&糖度計測をしてみました。
(旬の味覚をおいしく食べたい・・・!)
果たして、最高の栗に出会えるのか…!?
ということで、早速手順から
手順
加熱時間はおおむね炊飯器に合わせました。
(大体70分ぐらい)
それぞれの手順は以下の通りです。
下準備 -浸水-
1晩水に浸ける
(私は大体8〜10時間を目安にしています)
調理法その1 土鍋
- 土鍋に水を張り、蒸しかごをセットして中火で火にかける
(この蒸しかごは100均で購入しました。めちゃ便利) - 湯気が出てきたら栗を投入して蓋をし1分加熱する
- 1分経ったら火を止め、10分蒸らす
- 10分経過したら再度点火し、中火で60分蒸す
蒸しあがり
調理法その2 炊飯器
- 炊飯器に栗と栗が半分浸る程度の水を入れて炊飯スイッチオン
- 炊きあがり
調理法その3 低温調理
- 食べる分だけジップロックへ入れて85度で60分加熱
炊きあがりの写真撮りそびれました…
蒸し上がり 断面比較
蒸し上がりの断面はこんな感じ。
左から、土鍋、炊飯器、低温調理です。
土鍋 断面
炊飯器 断面
低温調理 断面
ちなみに、切る時の感触はどの調理法でも大差無く、
すっと包丁が入りました。
以上、断面の考察でした。
果たして、この中に甘い栗はあるのでしょうか…!
糖度計測
断面を比較したところで、次は糖度のお話です。
そもそも栗の糖度ってどれぐらいなのっていうお話なんですが、
私の調べ方が悪く、参考になりそうな資料がすぐに見つかりませんでした。
(デタラメ言うわけにもいかないので、分かり次第またご報告致します。)
さつまいもで言うと
紅はるか … 約30度
安納芋 … 約20度
紅あずま … 約15度
だそうなので、これを基準にイメージすると分かりやすそうです。
で、計測方法は本格的なものではなく、
アナログかつ簡易的な糖度計を使用して測定します。
使い方は実にアナログでシンプル
サンプルをつぶした状態でレンズを覗くと、
ブルーの背景に白い帯が浮かび上がるので、
そこの数値を読み取ります。
…ただ、私のやりかたが悪いのか、帯が太めに表示されるので
精度はあまり期待できません。
ざっくり目安にはなるかな・・・ぐらいの感じでいきます。
結果は以下の通り
1 | 2 | 3 | |
---|---|---|---|
土鍋 | 27 | 23 | 22 |
炊飯器 | 23 | 21 | 19 |
低温調理 | 20 | 23 | 25 |
表示された白い帯の真ん中の値を取っています。
先に述べたさつまいもの糖度と比較すると
この結果は全体的に数値高めに出ている感じがします。
数値の幅が広すぎて信頼性に欠ける感じがありますが、
この値を信じるなら、甘さは
土鍋>低温調理>炊飯器
ということになります。
果たしてこの数値は正しいのか、
いよいよ実食です。
実食
土鍋
まず一言、めっちゃ美味い。
「これもう栗きんとんやん…」と思うぐらい
とてもきめが細かくクリーミーでした。
スプーンを入れた瞬間から「滑らか!」と思いましたが、
まさかここまで滑らかな仕上がりになるとは・・・
感動です。
炊飯器
土鍋よりすこしホロホロしている印象。
実際食べてみると・・・とても美味しい。
栗と水をぶちこんでスイッチを押しただけなのに
こんなに美味しい栗が食べられるなんて贅沢ですね。
土鍋よりもホクホクした仕上がりでしたが、
甘さに大きな差は感じませんでした。
低温調理
スプーンで掬うとこんな感じ。
滑らかさはなく、コロッと塊でとれてきました。
食べてみると・・・ん?シャキシャキ??笑
嘘やろ。(※ホンマや)
アミラーゼ活性化して、かつペクチンが硬化しない温度を
狙ったつもりでしたが・・・これはしっかり硬化してます。笑
味は美味しく食べられますが、
土鍋や炊飯器と比較すると甘さ控えめな感じがしました。
(糖度が上がっていないのか、テクスチャが硬くてそう感じるのかは不明)
適度に歯ごたえがある分、食べ応えもあり
私個人としては好きな仕上がりですが、
ほくほく、しっとり甘い栗を求めるとするならば、
残念ながらこれは成功とは言えないでしょうね…。
私の味覚を頼りに、甘さをランク付けするなら
糖度計測の結果とは裏腹に 土鍋 ≒ 炊飯器 > 低温調理
という結果になりました。
結論
今回は最も期待していた低温調理が最下位という結果に。
ただ、良いとこ無し、というわけではなく
身が固い分、皮が剥きやすかったです。
(土鍋のは柔らかすぎて太刀打ちできませんでした)
栗ごはんや甘露煮など、ゴロッとした栗を使いたい場合は
あえて低温調理で熱を加えておくのも1つの手かもしれません。
(生だと硬くて剥きづらいですし…)
土鍋と炊飯器のどちらが良いかは、
テクスチャの好みによるのかなと思います。
(どちらも甘くて美味しく仕上がったので!)
ホクホク系が好きな方は炊飯器
しっとり滑らかが好きな方は土鍋での加熱がお勧め
という結論でしょうか。
土鍋は炊き上がりを待つワクワク感が楽しいです。
炊飯器は、スイッチ一つでできるというお手軽さがいいですね。
余談・雑談
低温調理については、
設定温度が悪かったのか、そもそも栗が低温調理に向いていないのか、
この段階で結論付けられませんが、
私の推測では温度を上げれば解決すると読んでいます。
ということで、次回は90℃加熱でリベンジしたいと思います!
(低温調理で成功すれば、水もいらないし
栄養も旨みも逃がさずに食べられるはず・・・)
本当は、アミラーゼの活性温度やペクチンの硬化温度について徒然と
・・・書きたかったのですが、思いの他内容がボリューミーになったので、
そこらの話はまた改めて記事にしたいと思います。
・・・ということで、いかがだったでしょうか。
残念ながら低温調理はいまひとつ奮いませんでしたが、
甘くて美味しい栗を食べることができました。
お好みの調理法で、
ホックリ美味しい秋の味覚をお楽しみ下さい。
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