スパイスブレンド -4- / チャイマサラ (चाय मसाला)

いよいよ気候が冬めいてきましたね。
もう北海道では初雪が観測された場所もあるとか。

とういわけで本日は、迫りくる寒さに備えて、
ホットミルクティー向けスパイス
「チャイマサラ / चाय मसाला」のブレンドレシピをご紹介します。

スパイス×ホットドリンクで、
寒い冬も楽しみに変えちゃいましょう。

チャイとは

ヒンディー語で
チャイ(चाय) = 茶
マサラ(मसाला) = 粉状のスパイスミックス

を指します。

まとめると

チャイ = お茶
チャイマサラ = チャイのマサラ。紅茶に使用するスパイスミックス
マサラチャイ = マサラのチャイ。スパイスを加えて煮出した紅茶

ということになります。

(もしかしたら名詞の間に”ki”や”ka”という助詞的な語が入るかもしれません。
あくまで独学による知見ですので、補足や誤りがあればご教示下さい…)

上記を踏まえると、チャイティーは”茶茶”になるのでしょうか。
もしかしたらそれは正しい表現ではないのかもしれません。笑

スパイスの使用率

チャイマサラのレシピを調べ、各スパイスの使用率をまとめました。
(できる限りヒンディーのレシピを検索しています)

今後追加でレシピが見つかれば、随時サンプル数を増やし更新していきます。

使用率について、今回の場合では
10件中10件全てに使用されていたスパイスは100%
10件中5件使用されていた場合は50%
…といった具合に算出しています。

スパイス名使用率
カルダモン100%
シナモン100%
ジンジャー100%
ブラックペッパー100%
クローブ90%
フェンネル80%
ナツメグ50%
スターアニス20%
アジョワン10%
ターメリック10%
ブラックカルダモン10%
ホーリーバジル10%
レモングラス10%
ローズペタル10%
調べたレシピ数 10件(2020年10月時点)

上記の表を踏まえると、
・カルダモン
・シナモン
・ジンジャー
・ブラックペッパー

がマストスパイス

・クローブ
・フェンネル

は、ほぼマストとなっています。

使用率が20%以下のものは、オプションで…という感じです。

確かに、下位のものは香りの個性が強いものが多いので、
好みが分かれそうではあります。

使用スパイスについて私的考察

個人的には、ブラックペッパーが入っているのが意外でした。
分量的にも多めに入っているレシピが多かったです。

たまに飲食店でチャイティーを飲むことがありますが、
あまりピリッとスパイスが効いてる…!と感じたことはないので、
もしかしたら、それは日本人向けのブレンドなのかもしれません。

もう1つ興味深かったのは、ローズペタルやレモングラスの
使用をオススメしているレシピが1件あった事です。

メジャーなものではないので、あくまでオプション扱いでしたが、
花の芳香が加わると、より紅茶の香りが広がりそうですね。
次ブレンドするときは入れてみようと思います。

類似スパイスミックスとの
比較について私的考察

これまでにスイート系のスパイスブレンド
・パンプキンパイスパイス
・スイートハワイジュ

を紹介してきました。

今回のブレンドも含めて、主要スパイスは
・シナモン
・ジンジャー
・クローブ

でした。


じゃあ、具体的には何が違うの?ということで
それぞれの特徴を挙げると以下のようになります。

【パンプキンパイスパイス】
・ナツメグ、オールスパイスが主要スパイス
・カルダモンは不要

【スイートハワイジュ】
・カルダモンが主要かつ配合比率も高い
・オールスパイスは不要

【チャイマサラ】
・ブラックペッパー・フェンネルが主要スパイス
・各スパイスの配合比率はレシピによって千差万別

さて、長々なりましたが、
以上を踏まえてチャイマサラのレシピをば。

材料

【材料】
カルダモン…小さじ2
シナモンスティック…1.5本 (g)
ジンジャーパウダー…大さじ1
ブラックペッパー…小さじ1
クローブ…小さじ2
フェンネル…小さじ1
ナツメグ…小さじ1/2

【備考1】
ジンジャーパウダーについて、もし無ければ
茶葉を煮出す時にフレッシュジンジャーのスライスを使用すると◎です。
その場合はブレンドに入れなくても大丈夫です。

【備考2】
インドのレシピでは、シナモンは「カシア」が主でしたが、
クマリン問題があるので「セイロン」を使用しています。
(※クマリンについては以下に記載)

【備考3】
各スパイスの分量について、いくつかレシピを比較しましたが
どれも比率はバラバラで特に正解は無さそうでした。
なので今回のレシピは、マストスパイスは押さえた上で
「これなら飲みやすいかな」という独断で分量を決めています。

…そんな感じなので
私のレシピは参考として、思い思いのブレンドでお楽しみ下さい。

クマリンについて小話

シナモンの芳香成分の1種に「クマリン」というものがあります。
これは桜餅の香り成分として有名なものなので、
匂いを嗅げば、これか!となるはず。

ほわっと香る甘い芳香が、可愛らしい名前と似合ってるなぁ
…と思うのですが、この成分、
過剰摂取により肝障害を引き起こします。

で、クマリンの含有量はカシアシナモンの方が圧倒的に多いので
油断すると割と余裕で摂取許容量を超えてしまうんです。

〈シナモン1日許容量〉
セイロンシナモン : 364.58 g/日
カシアシナモン:1.53 g/日

シナモン自体は身体に良いので、クマリンが多いからといって
「カシアはダメだ!」ということではありません。

許容量さえ気をつければどちらを使っても問題ないのですが、
私は好物ゆえに結構ガンガン使いがちなので… 笑
基本的にはセイロンを使うようにしています。
(カシアの方が安価なので使用量によって使い分けています)

いかがでしたか

本当はマサラ・チャイについてもっと掘り下げたかったのですが、
記事がかなり肉厚になりそうだったので、一旦ここで終了。笑

紅茶の淹れ方や茶葉については
後日更新予定の「マサラ・チャイ」のレシピと
併せてご紹介できればと思っています。

日に日に寒さが厳しくなりますが、
そんなときこそ美味しいホットミルクティーで癒やしましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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あわせてどうぞ

参考URL

・クマリンの摂取について
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hyouka/files/20hyouka2-siryo2-3.pdf

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